主なポイント
- エンドポイントバックアップとは、データ損失やサイバー攻撃、ハードウェア障害などの発生時に迅速に復旧できるよう、エンドポイントデバイス(ノートPC、デスクトップPC、タブレット、携帯電話、POSシステム、IoTデバイスなど)のデータを安全で暗号化された状態でリモートストレージに自動的にコピーするプロセスです。
- エンドポイントバックアップが不可欠な理由:ランサムウェアや誤操作によるデータ削除、人的ミスのほか、デバイスの盗難、ハードウェアの障害、ソフトウェアのクラッシュ、自然災害などから保護し、事業継続性とデータのセキュリティを確保します。
- エンドポイントバックアップの仕組み:ファイル(ファイルレベル)またはフルシステムイメージ(イメージレベル)をキャプチャ(取得)し、データを暗号化した上で、安全なクラウドやオフサイトのストレージに送信します。バックアップデータはIT管理者が一元管理し、スケジュールに基づく実行や継続的な実行が可能です。また、確実に復旧するためにデータの整合性も検証されます。
- エンドポイントバックアップソリューションの主な機能:セルフサービスでの復旧、自動化、一元化されたダッシュボード、帯域幅の最適化(圧縮、重複排除、制限)、さまざまな環境に対応した柔軟性、コンプライアンスのための強力な暗号化などの機能を備えたソリューションを選ぶことが重要です。
- サイバーセキュリティ戦略におけるエンドポイントバックアップ:エンドポイントバックアップは、多要素認証(MFA)、パッチ管理、アプリケーションのホワイトリスト化、高度なマルウェア対策といった多層防御策を補完します。これらの対策を組み合わせることで進化するサイバー脅威によるリスクを低減できます。
- データ保護戦略との整合性:エンドポイントバックアップは、暗号化やディザスタリカバリ(災害復旧)計画、定期的なセキュリティ監査などを含む、より広範なデータ保護計画の一部として組み込まれる必要があります。これにより、リモートワークやBYOD(私物デバイスの業務利用)環境における機密情報を確実に保護できます。
目次
- 主なポイント
- エンドポイントバックアップとは
- エンドポイントとは
- エンドポイントバックアップが重要な理由
- エンドポイントバックアップとクラウド同期の違い
- エンドポイントバックアップとデータセンターバックアップの違い
- エンドポイントバックアップの仕組み
- エンドポイントバックアップソリューションの特徴
- セルフサービス
- 柔軟性
- 自動化
- リソースの最適化
- エンドポイントバックアップと復元ソリューション
- エンドポイントバックアップは必要か
- データ保護戦略の重要性
- まとめ
セキュリティと事業の継続性を維持する上で、データ復旧ソリューションが不可欠であることは言うまでもありません。バックアップがあれば、たとえば次のような事態に直面したとしても、業務を継続したままデータを復旧させることのできる環境を確保できます。
- ランサムウェアの攻撃を受けた場合
- ノートPCを紛失した場合
- 誰かが誤って重要なファイルの入ったフォルダを削除してしまった場合
重要なデータが安全で確実にバックアップされていなければ、こうした事態においてなすすべがなくなってしまいます。
この記事では、エンドポイントバックアップの概要や仕組み、あらゆる組織で導入すべき理由を分かりやすく解説します。
NinjaOneの信頼性の高いバックアップソリューションが、データとエンドポイントの保護を実現します。
エンドポイントバックアップとは
エンドポイントバックアップとは、ノートPC、デスクトップPC、タブレット、携帯電話などのエンドポイントデバイスに保存されたデータの安全なリモートコピーを自動的に作成するプロセスです。これにより、万一、データ損失やハードウェア障害、盗難、サイバー攻撃などが発生した際に、データを復元できるようになります。バックアップの重要性をしっかりと理解するために、まずはエンドポイントとは何かについて詳しく見ていきましょう。
エンドポイントとは
エンドポイントとは、情報の作成や共有、アクセス、保存に使用され、ネットワークに接続されているあらゆるデバイスを指します。つまり、ノートPC、デスクトップPC、タブレット、携帯電話、POSデバイス、製造機器、IoTデバイスなど、ネットワークの末端に位置するデバイスです。
効果的なエンドポイント管理のひとつに、デバイス上のファイルや業務に不可欠(ミッションクリティカル)なデータのバックアップを維持することが挙げられます。エンドポイントバックアップツールは、一般的に、データのコピーを遠隔の安全なファイルストレージに送信することによってデータの保存を実現します。こうして保存されたデータは、災害や誤削除が発生した場合に復元できます。
エンドポイントバックアップソリューションは、通常、24時間ごとや継続的な実行といったスケジュールに基づいて行われます。スケジュールはIT管理者が一元的に設定するのが一般的ですが、エンドユーザー側で柔軟に設定できるソリューションもあります。
また、バックアップや復元に割り当てるストレージ容量に応じてフルバックアップや増分(インクリメンタル)バックアップを実行することもあります。
エンドポイントバックアップソリューションはクラウドファーストの提供モデルやストレージコストの低下により、中小企業から大企業まで幅広く普及しています。特に、クラウドベースのバックアップソリューションの登場は、より利用しやすく手頃な価格帯のエンドポイントバックアップソリューションを実現する大きな要因ともなりました。
エンドポイントバックアップが重要な理由とは
エンドポイントバックアップソリューションは、次のようなさまざまなデータ損失のリスクからデータを保護します。
- ハードウェアの故障
- ランサムウェア攻撃
- 自然災害
- 人的ミス
- デバイスの紛失や盗難
- サイバー攻撃
- ソフトウェアのアップデートやアップグレード
- 停電やシステムクラッシュ
エンドポイントバックアップとクラウド同期の違い
クラウドサービスを利用する際に実行される自動同期と、エンドポイントデータのバックアップは似ていることから、なぜ後者が重要なのかと疑問に思うかもしれません。その理由を理解するには、「ファイルの同期」と「真のバックアップ」の違いを知る必要があります。
OneDrive、Dropbox、Google Driveといったクラウド同期サービスは、真のバックアップソリューションが対処するような多岐にわたる脅威からデータを保護することはできません。データの破損やランサムウェア、その他のマルウェアによる被害が、感染したデバイスからリモートストレージへとそのまま「同期」されてしまいます。また、ユーザーが誤ってファイルを削除した場合でも、通常はその削除操作がクラウドに同期されるため、伴ってファイルのすべてのコピーが削除されてしまいます。一部のクラウドサービスには誤削除を復元する機能もありますが、そうしたファイルの保存期間は数日程度に限られることが多く、特化したエンドポイントクラウドバックアップソリューションの代わりにはなりません。
そもそも、エンドポイントバックアップソリューションに限らず、あらゆる形態のバックアップや復元ソリューションは、ファイルを保護するという唯一の目的のために設計されています。これらは本来、業務効率化のためのツールではないため、データの安全性とセキュリティに関しては一切の妥協を許しません。
エンドポイントバックアップとデータセンターバックアップの違い
「データバックアップ」という言葉は、何らかの形で耳にしたことがあることと思います。外付けハードディスクやテープドライブを使ってバックアップを作成する光景を思い浮かべる方もいるかもしれません。また、データセンターバックアップソリューションやクラウドバックアップソリューションについてもご存じかもしれません。
その中で「エンドポイントバックアップ」はどのような位置づけにあるのかというと、それはケースバイケースです。
多くのデータセンターバックアップソリューションはエンドポイントのセキュリティ機能も備えていますが、すべてがそうとは限りません。同様に、エンドポイントバックアップソフトウェアの中には、データセンターのバックアップを包括的にカバーできるものもあります。市場に出回っているすべてのソリューションが同じ機能を備えているとは限りませんが、もし同じである場合でも、そもそもどのような違いがあるのか疑問に思うかもしれません。
データセンターバックアップは、組織の災害復旧(DR)や事業の継続性の一環として利用されるソリューションを指します。これらは企業の運用データベース全体のバックアップするような、大規模なソリューションをイメージさせるものです。
他方のエンドポイントバックアップは、エンドポイントデバイスから作成されたバックアップデータを安全に保存することを指します。データセンターバックアップが企業の「脳」を守るものだとすれば、エンドポイントバックアップは、企業という組織を機能させるためのその他のあらゆる「臓器や手足」すべてを守るものと言えます。
こうした点を踏まえると、エンドポイントバックアップとデータセンターバックアップの最大の違いは、エンドポイントのデータが「モバイル(移動可能)」であるという点にあることに気づくでしょう。これはエンドポイントは組織のエンドユーザーによって使用され、物理的に持ち運ばれることが多いためです。
ここから重要なポイントを読み解くことができます。
エンドポイント保護やエンドポイントバックアップソリューションはエンドユーザーが使用する技術ツールと直接連携するため、それらの対策が業務の生産性を妨げないようにすることが重要です。同時に、セキュリティ対策という複雑な要素に不要な変数を多く追加しないようにする必要もあります。どのようなソリューションであれ、実際に使用されて適切に構成され、ワークフローに完全に統合されて初めて機能するからです。利便性を優先して従業員がセキュリティソフトウェアを無効にしたためにデータが失われてしまうことほど最悪な事態はありません。
エンドポイントバックアップの仕組み
エンドポイントバックアップソリューションの機能は多岐にわたりますが、一般的にはローカルのハードディスクやデバイスからデータを抽出し、その安全なデータのコピー(多くの場合、暗号化されたコピー)をリモートのストレージ場所に送信する仕組みです。どのデータをどの程度の頻度でバックアップするかはソフトウェア上で設定します。
最も効果的なエンドポイントバックアップ計画とは、すべてのデバイス上のあらゆるファイルを保護することです。(ただし、実際にはストレージや帯域幅をセーブするために重要度の低いデータを除外する組織も少なくありません。)多くの場合、リソースに過度な負荷をかけることなくこれを実行できますが、メディア制作などで扱われるような巨大なファイルを頻繁にフルバックアップするとネットワークの安定性に影響が及ぶ可能性があります。
ほとんどのバックアップツールにはデバイスのバックアップ状況を表示する一元管理ダッシュボードが提供されています。そのため、単一のファイルからアプリケーションや構成、設定、パーソナライゼーションなどを含むシステム全体に至るまで、同じインターフェイス上で復元することが可能になります。
最後に、バックアップの整合性も見落とすべきではない重要な要素です。 高度なエンドポイント保護ツールは、確実な復旧を保証するために自動的なバックアップチェックを実行します。具体的にはすべてのバックアップを検証し、問題があればIT部門に通知する仕組みを備えています。
エンドポイントバックアップソリューションの主な機能:
エンドポイントバックアップソリューションには数多くの選択肢があります。最適なソリューションを選ぶ際は、主に次の要素を考慮します。
- 予算
- 必要なリソース
- 構成の柔軟性(どの程度の自由度が必要か)
これらを踏まえ、組織の適したエンドポイントバックアップツールを選択する上で注目すべき重要な機能をご紹介します。
セルフサービス機能
多くのユーザーがバックアップソリューションにおけるセルフサービス機能を重要な要素と考えています。現代の業務環境は、さまざまな場所や複数のタイムゾーン、多種多様なデバイスにまたがって業務が行われているため、24時間体制で迅速なITサポートを提供することは困難です。特に大規模な組織であれば、可能な限りセルフサービス機能を導入することでITチームの負担を大幅に軽減できます。エンドユーザー自身がファイルの検索やバックアップの復元を行い、そのまま業務を再開できれば、組織全体にとってメリットとなります。
柔軟性
柔軟性の高いテクノロジーは万人に好まれています。効果的なデータ保護を実現できるかどうかは、そのソフトウェアを自社の固有のニーズ、既存システムとの連携、技術的な仕様にどれだけ適応させられるかにかかっています。
自動化
プロセスの自動化は生産性の向上と運用体制の成熟に不可欠です。ソリューションに自動化機能を多く取り入れるほどIT環境の効率性は高まります。そのためには自動化機能を適切に運用して最大限に活用することが前提となります。
リソースの最適化
どのようなツールを使用する場合でも、バックアップにはストレージ容量と帯域幅(ネットワーク帯域)が必要です。帯域幅の制限(スロットリング)や重複排除、ネットワーク高速化(ネットワークアクセラレーション)、データ圧縮など、帯域幅やストレージの消費を最小限に抑える機能を備えたソリューションを検討することをお奨めします。
エンドポイントのバックアップと復元ソリューション
エンドポイントのバックアップと復元ソリューションには多種多様なものがあり、それぞれ異なる機能や特長を備えています。特定のファイルやフォルダーを保護できる「ファイルレベル」のバックアップに重点を置いたソリューションもあれば、OSやインストール済みの全プログラムを含むデバイスのハードドライブ全体を完全に複製する「イメージレベル」のバックアップを提供するソリューションもあります。
以下に、一般的なエンドポイントバックアップと復元ソリューションを7つご紹介します。
- NinjaOne:企業がエンドポイント、サーバー、アプリケーションをバックアップや保護できる、クラウド型のエンドポイントバックアップおよびディザスタリカバリ(災害復旧)ソリューション
- Carbonite:企業と個人向けにクラウド型のエンドポイントバックアップや復旧、アーカイブソリューションを提供
- Veeam:イメージレベルのバックアップに加え、データとシステム全体を過去の時点の状態に復元する機能を提供
- CrashPlan:ファイルレベルのバックアップを提供し、バックアップデータをクラウドやローカルサーバーに保存
- Datto:中小企業向けにエンドポイントバックアップ、災害復旧、事業継続ソリューションを提供
- Asigra:あらゆる規模の企業向けにクラウド型のエンドポイントバックアップと復旧ソリューションを提供
- Acronis Backup:ファイルレベルおよびイメージレベルのバックアップに加え、デバイスの紛失や盗難が発生した際に新しいデバイスへデータを復元する機能を提供
エンドポイントのバックアップおよび復旧ソリューションを選択する際は、組織の具体的なニーズを考慮することが重要です。例として次の点が挙げられます。
- 使用されているデバイスの種類
- 保護対象となるデータの量
- 必要とされる復旧オプション
組織固有のニーズに合ったソリューションを選ぶことでデータの保護を確実にし、システムの復元を即座に行えるようになります。NinjaOneのエンドポイントバックアップ機能なら、ユーザーがデータやシステム全体を過去の時点の状態に復旧できるほか、ファイルやフォルダー単位のバックアップにも対応しています。
エンドポイントバックアップは必要か
結論から言うと、必要です。なぜならエンドポイントは現在、あらゆるサイバーセキュリティの懸念事項において重要な焦点となっているからです。
Ponemon Instituteが2020年に発表したレポート「State of Endpoint Security Risk(エンドポイントセキュリティリスクの現状)」によると、ITおよびセキュリティの専門家の68%が、過去12か月間でエンドポイントへの攻撃頻度が増加したと回答しました。さらに回答者の51%は、エンドポイントセキュリティソリューションで脅威を正確に検知できなかったために攻撃が成功してしまったと考えています。多くの場合、たとえセキュリティソリューション自体が脅威を検出できなかったとしても、エンドポイントのバックアップがあれば攻撃による被害を軽減できたはずです。
また、こうし問題が発生するのは、驚異の変化に伴い、エンドポイントセキュリティのあり方自体が大きく変わったことも要因のひとつです。
かつてエンドポイント保護といえば、各エンドポイントでシグネチャベースのウイルス対策ソフトを使用することを指していました。これは、誰もが自力で導入できるシンプルなソリューションでした。しかし残念なことに、今日の脅攻撃者はこうした従来のアンチウイルスソリューションを回避する数多くの手法を編み出しており、より高度なエンドポイントセキュリティソリューションが必要とされています。
組織のエンドポイントを保護することは、今や多層的な取り組みとなっています。エンドポイントバックアップにのほかにも、次のような防御策も講じなくてはなりません。
- アプリケーションをホワイトリスト化
- 可能な限り多要素認証(MFA)を導入
- ネットワークアクセス制御
- すべての資産を迅速に更新するためのパッチ管理ソフトウェア
- 高度なマルウェア対策ソフト
これらすべてのソリューションを導入していても、エンドポイントバックアップソリューションがなければエンドポイント管理は完全とは言えません。効果的で使いやすいバックアップと復旧ソリューションを導入することで、万が一最悪の事態が発生しても業務への支障を最小限に抑えて業務を継続できます。
データ保護戦略の重要性
データ保護は、あらゆる組織の包括的なセキュリティ戦略において不可欠な要素です。個々のデバイスに機密情報が保存される機会が増えている今、こうした情報を安全に保ち、災害発生時には迅速に復元できるように強固なデータ保護戦略を策定しておくことが重要です。
データ保護戦略の重要な構成要素のひとつに効果的なバックアップ戦略があります。個々のデバイス上のデータを定期的にバックアップすることで、組織はデータ消失に伴うリスクを最小限に抑えるとともに、万一データ損失やサイバー攻撃が発生した際にもシステムやデータを迅速に復元させることができます。リモートワークの普及に伴い、従業員が個人のデバイスから社内の機密情報にアクセスするケースが増えているため、特に重要なポイントです。
しかし、エンドポイントバックアップと復旧は、包括的なデータ保護戦略のひとつの側面に過ぎません。その他にも以下のような重要な要素があります。
- データの暗号化
- 災害復旧(DR)計画の策定
- 定期的なセキュリティ評価
これらの対策を組み合わせて実施することで組織は機密情報をより確実に保護し、想定されるさまざまなデータ消失のシナリオに対して適切に対応できる体制を整えることができます。
NinjaOneの高速復元オプションにより、ファイルやシステム全体の復元を簡単に行え、ダウンタイムを最小限に抑えられます。
まとめ
働き方は根本的に変化し、世界中に従業員やパートナーを抱えることが組織にとって当たり前のこととなりました。BYOD(私物デバイスの業務利用)ポリシーは柔軟性をもたらす一方で、リモートワークの普及に伴ってセキュリティ上の課題をさらに複雑化させています。
こうした状況下でエンドポイントは組織のネットワークにおいて最も脆弱な箇所のひとつとなっており、セキュリティ侵害の7割以上がエンドポイントで発生しています。そのため、エンドポイントのバックアップはセキュリティ対策においてが重要な構成要素であり、最適なバックアッププロバイダーを選択することは大きな違いを生み出します。
NinjaOneは、業界最高水準のエンドポイントバックアップおよび災害復旧ソリューションを提供するプロバイダーとして、エンドポイントやサーバー、アプリケーションのバックアップと保護を可能にします。データ保護にけるニーズにNinjaOneがどのように応えて付加価値のあるサポートをもたらすのか、ぜひ詳細をご確認ください。
